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ヤシカYFをレストアする(2) [カメラ修理]

シャッターは、先幕が断裂してスプリングドラムに固着し、先幕シャッターリボンも脱落していました。先幕の竿はスプリングドラム下方で発見回収しました。
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後幕は劣化しているものの何とか形を保っており、リボンも劣化していましたが、元の形と位置を保っていました。劣化しても残っているのと完全になくなっているのとでは、再生する手間が大違いなので、とりあえずは安心です。
まず、先幕の再生に取り組みます。リボンの長さと貼り付け位置は重要ですが、先幕の長さは、許容範囲がやや広いので、記録してあったFED1のサイズ(竿を含めて75mm、リボン10cm)を参考に作成しました。リボンと先幕を両面テープで仮固定し、シャッターリリース済の状態で後幕と2mm重なり、シャッターチャージしたフィルム枠を覆う位置を見つけ出しました。ここで、しっかりとボンドで固定。
次に後幕の再生です。ここではオリジナルに従ってリボン幕の各要素を再生すればよいので、比較的容易な作業です。ということで無事作業終了かと思ったら、もうひと山。巻き上げレバーのネジが緩んでおり、組み立て途中で分解してしまったのです(/□\*)。

巻き上げレバーはこのような板バネ(これは破損品ですが)2か所でラチェット機構を形成しているので、結構ちゃちな感じです。この組み立てはかなり困難で、この個体は1本の板バネが破損していたので、何とか組めましたが、2か所にこの板バネを組み込むのはかなり難易度が高いと思います。ばらけないようにもっとしっかりねじ止めしてくれよというのが正直な感想でした。やっとのことで組み立てましたが、折れてしまったばねを取り除いた片肺状態となりました。機能的には問題ないようですが、耐久性はクエスチョンです。DSCN5128_R.JPG
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スローがバナーを外してジッポーオイルで洗浄し、動作を確認してから組み立てました。
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ハーフミラーを拭いてしまうとアウトなので、ファインダー各部分を注意深く清掃し、作業終了しました。パララックスを補正する50mm/90mmブライトフレームのあるファインダーはそれなり見えも良く、実用性もありますが、その後たった2年で豊富な交換レンズを備え、露出計も内蔵されたキャノン7(ファインダーもこちらのほうが優秀です)が発売され、さらにほどなく一眼レフの時代になってしまうので、時代の波を乗り越えられなかった不運な機種だと思います

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ヤシカYF をレストアする(1) [カメラ修理]

YasicaYF をYオクでゲットしました。Niccaとのダブルネームで、Niccaがヤシカに吸収されて間もない時期のカメラです。珍しいカメラなので、シャッター不動のジャンク品でも15K+αのやや高額な仕入れとなりました。
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現品は、少々のスレと、フィルムカウンターのガラス(プラではなく、割れやすいガラスでした)が割れている、ファインダーがやや曇っているが二重像は明瞭に見えるという状態でした。シャッターは、先幕が行方不明でした。
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さて分解です。まず、マウントを外します。スペーサーが入っていました。次に、シャッターダイアル、巻き戻しノブ、アクセサリーシューを外します。軍艦部のカバーを外そうとしましたが、前面のネジ2本とシャッターボタン横のネジを外しても、まだ固定されている部分があり分離できません。
ひとつは、巻き戻しノブの根元にあるリングでした。
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カニ目がないので、M型ライカなどで使う特殊なレンチがないと外せません。サイズも特殊なので、当方の所有するレンチセットには合うものがなく、やや径の小さなものを無理やり使ったので、リングに少し傷がついてしまいました(´_`)。しかしまだ外れません。シンクロターミナルが取り外せず、分離できないのです。ここで以前、Nicca3型を分解したときに、シンクロターミナルが、アクセサリシューを支える金具からのビスで固定されていたのを思い出しました。そこでアクセサリーシューの下にあった二つのビス穴のうち、後ろの穴に細いドライバーを差し込んで探ってみると、確かなビスの手ごたえがあり、これをゆるめて、やっとシンクロターミナルを外すことができました。
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つぎにボディシェルを外し、前板を外します。
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すると、遮光版が一体となって外れ、シャッターを露出することができました。
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このへんは、3Cや3Fバルナックライカよりも整備性良好です。ライカ3Cや3Fでは、遮光版を外しシャッターを露出させるためには、距離計を外し、スローがバナーを外し、スローガバナーと後幕スプリングドラムを連結するギアを外す必要があります。
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