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リコーXR-Sをレストアし太陽充電池を入れる [カメラ修理]

リコーXR-Sは、ペンタ部のソーラーパネルで専用充電池に充電して、電池切れをなくすという、ほかにはない特徴を持ったAE一眼レフです。リコーXRソーラーというマニュアル機もありますが、こちらは露出計の電源をソーラーパネルからダイレクトに得る電池不要のメカニカルシャッターの機種です。
どちらも、かなりレアな機種ですが、最近、YオクでリコーXR-Sジャンク品をゲットしました。
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状態は、巻き上げレバーがぐらぐらで、ミラーアップ、シャッター不動でした。ぼろぼろのケースと50mmF2のレンズが付属しており送料込みで3Kでした。リケノン50mmレンズはプラ製の後期型ですが、カビなしの正常作動品でした。巻き上げレバーがぐらぐらしていたのは、レバーの覆いカバー取付ねじが緩んでいただけでした。
専用の充電池はとっくに寿命を迎えて(5年くらいの寿命だったようです)付属しておらず、LR44二個を詰めてみたところ露出計は生きているようです。
下カバーを開けてジャムっているレバー(矢印)を動かしてみると(XR-7で同様の処置でシャッターが復活したという先例があります。硬化したダンパーの破片が詰まったりするようです)ミラーが下りて、巻き上げができるようになりました。
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しかし、シャッターが動きません。何度か巻き上げては、例のレバーを動かすを繰り返していると、シャッターが切れるようになりました。幾度かシャッターを動作させていると、スムーズに動くようになり、さらに空シャッターを切っていると、ミラーアップすることもなく軽快に作動しています。1秒から1/1000のシャッターが開いていることを確認しました。オートの露出も大体あっているようです。フィルムカウンターが不動なので、トップカバーを開けてみると、硬化したダンパーの破片と思われる異物が詰まっていました。カウンター円盤上の塊がそれです。これを除去するとカウンターは正常に動くようになりました。
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これでめでたく復活としてしまっては、比較的よく見かけるリコーXR-7と見かけ以外はなにも変わらない状態です。
この機種のアイデンティティーはソーラーパネルで充電できることです。しかし純正の電池はとっくにディスコンです。
自転車のバックライト用に、ブリヂストン BRIDGESTONE GP40BVH ソーラーテール用充電池というLR44と同じ形のボタン電池型の太陽光充電池があります。これが、XR-Sにつかえれば、唯一の太陽光充電ができるAE一眼レフがよみがえるのではないかと考えてこのカメラをゲットしたのでした。カメラが復活したので、このボタン型充電池を注文。ヨドバシで314円×2送料無料でした。
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到着した状態で、これを使用してみたところ、NiCad電池なので、定格電圧は低めですが、ローバッテリー表示が出るものの、カメラは正常に動作することがわかりました。
これを充電池として利用するためにはもう一工夫、電池室の側壁にあるスイッチを電池が押し込む状態としなければなりません。図のような、横腹に突起のある電池ホルダーをつくって挿入してみました。プラスチックの外装にカッターで削ったつまようじを瞬間接着剤で張り付け、ステンレステープで補強したものです。
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晴れた日の屋外に一日放置しておいたところ、ローバッテリー表示は消えてきちんと充電されていることが確認できました(*^^*)。どれぐらいの間隔で日光浴させてやればいいのか、その塩梅の把握が今後の課題です。
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ペンタクス67をレストアする(3) [カメラ修理]

チェーンが切れてしまった、ペンタックス67。気を取り直して修理に取り組みます。マウントとフロントの飾りパネルを外して、破断したチェーンを確認。
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鎖が切れて見当たらなくなっています。
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マウントの下にはワッシャーが入っているので、復旧できるように記録しておきます。チェーンは、3つに断裂していたので、再使用はあきらめました。手芸店で似たような鎖を手に入れてレストアされている先人もいらっしゃいましたが、当方にとって手芸店は地理的な距離も心理的な距離もはるかかなたです。
そこで思いついたのが、手元に残っていた釣り糸です。新素材で伸びがなく、かなりの重量に耐えるので十分チェーンの代替になると考えました。
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太さは6号です。もう少し細い糸でも十分だと思いますが、手元にあるのがこれだったのでとりあえず現物合わせします。もともとのチェーンの長さは、バネから折り返しまでが50mm、ファインダーの可動部を受け止めるプラスッチクチップからレンズの絞り伝達レバーを受け止めるリングまでが96mmでした。ファインダーに絞り値を伝達するデバイスの位置決めにかかわってくるので、この96mmという長さは重要です。
チェーンをプーリーにかけて組み立ててみると、良好に動作しました
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仮組み立てのつもりで糸の結び目が汚いですが、動作に支障はないようなので、このままいくことにしました。30Kgの力に耐えると表示してありますから、強度に不安はないと思います。6号の釣り糸なら5Kgくらいの魚でも釣り上げられるはずなので(残念ながら釣り上げたことはない)オバースペックかもしれません。
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ペンタクス67をレストアする(2) [カメラ修理]

本体は動くようになったので、TTLファインダーを整備します。指針を表示するプリズムが脱落して指針が見えなくなっているのと、接点の汚れで指針が動揺する症状があります。

シャッター速度ダイアルを外せば、上カバーはそれほどの困難はなく外せます。
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棒状のプリズムが剥離して動いてしまうので、指針が見えなかったのです。
元の位置に接着すればよいのですが、微妙な調整は必要で、ファインダーをのぞきながら接着剤が固化するまでに適正な位置を模索しました。
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摺動抵抗を清掃して組み立ててみると、良さそうな値を示してくれます。これでレストア完了、と思ったら、レンズの絞りを操作したとたんに、ぶちっという音とともに指針が動かなくなりました。うわさに聞く鎖切れです。そこでその修復も行う羽目になりました。
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ペンタクス67をレストアする(1) [カメラ修理]

近頃、その価値が見直され、Yオク価格も上昇しているペンタックス67です。7-8年前、6、7Kという非常に安い価格で、ミラーが上がった状態で、巻き上げできずシャッターも切れない状態のものをゲットしていました。巻き上げ側のサイドパネルを外してシャッター機構を観察しても、その複雑さに圧倒されギアやレバーの動作する状態も想像できなかったので、そのままお蔵入りになっていました。
最近、英文ですが、サービスマニュアルがネット上にあることに気づき、レストアに再挑戦してみました。
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今回分解したのは、巻き上げ側の前面パネル(ミラー復帰ボタンのあるパネル)とそれに連続する右側のエプロン、さらに基盤のあるマウント下部のパネルです。ミラーユニットの分離まで踏み込む気はなかったので、故障の原因がこの範囲になかったら撤退です。
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まず、タイミングスイッチのハンダが怪しかったので、温めなおして再接着。そうすると、ミラーアップした状態(先幕だけ走行した状態)から、いくつかの操作をすると後幕も走り、ミラーが復帰するようになりました。
いくつかの操作とは、1.マグネットをテスターで短絡させる 2.パワースイッチを物理的に切り離す 3.先幕動作レバーを動かす です。
一番の懸念は、基板の故障です。しかし、バッテリーチェックは機能しているし、基板もきれいで腐食はありません。故障の原因は電子系ではなく、メカ部分にあることを信じてシャッター動作に伴う各レバーの動作を観察します。2日ほど眺めていると、本来タイミングカムの上にあるべき後幕動作レバーと、タイミングカムと同じ平面上にあるべきタイミングチェックレバー、タイミングスイッチレバーがタイミングカムの裏側に脱落することに気づきました。タイミングカムに触れてみるとぐらつきがあります。このタイミングカムの不安定さのために、後幕の制御が正確に行われていなかったのだろうと不具合の原因を診断しました。
これが本来の位置。
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こちらが不具合が出た時の位置です。上下のレバーがカムの表側や裏側に脱線しています。
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さて治療です。代替部品はないので、ぐらついているカムの軸受にメタルロックを細い注射器で塗布して様子を見てみました。数時間待ってシャッターを切ったところ、きちんと設定した秒時でシャッターが切れています。しかし、1秒から1/1000まで10回ほど空シャッターを切るのとほぼ同時にカムが再び動揺するようになりシャッターが切れなくなりました。
そこで、タイミングカムをEリングを外してタイミングギアから分離しました。この時、小さなワッシャーが挟まれていますが、このEリングとワッシャーが極めて重要な役割を果たしていることを後から思い知らされることになります。
タイミングカムは真鍮のシャフトの軸受けにスチールのカムが圧入されていましたが、この部分の接合が、経年変化でゆるゆるになっていました。
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そこで両者を分離して、メタルロックでしっかりと接合しました。本来なら銀ロウづけをしたいところですが、そのスキルがないのでやむをえません。タイミングギアとカムの位置関係は厳密に決まっているので、サービスマニュアルの通りにおこないました。タイミングギアのシャフトは巻き上げられていない状態で、時計4時半の位置に、タイミングカムの裏側にあるシャフトにばねをかけて、タイミングギアのシャフトを追い越す位置まで反時計回りに回して組み立てます。そして、小さなワッシャーとEリングでカムを固定するのですが、小さな部品なので、何度も飛ばしては探すを繰り返しつつ何とか終了。ここで再度シャッターを切ってい見ると、バタンという大きな音を立ててミラーが駆動し、シャッターが作動するようになりました。レストア成功です。
と思っていたら3日後、ふたたびシャッターが切れなくなってしまいました。タイミングカムがメタルロックでは弱かったのかと危惧しながらのぞいてみると、タイミングカムはダメージなしでしたが、Eリングとワッシャーが外れてカムが固定されなくなっていました。床の上とカメラの中を探して何とかこの2点を回収し、再組立て後、しっかりとEリングでワッシャーを押さえます。ラジオペンチでもEリングの圧入は容易ではなく、冷や汗をかきながらなんとか固定に成功しました。
メタルロックの固定がどの程度の耐久性があるか不明なので、なんとか部品取りの程度の悪い67をゲットできないものかと思っていますが、最近のYオクは、ジャンクの67でも結構な値段になってしまうので、壊れたら再接着ということになりそうです。
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レチナⅠ型をレストアする [カメラ修理]

先日Yオクで落札した、ジャンクレチナⅡAのおまけでやってきました。DSCN5694 (1)_R.JPG
レンズカビあり、シャッター固着、どのレバーも動かない状態でした。NEX用にレンズだけ摘出しようかと思ったのですが、レストアした経験のないprontor SVシャッターだったので、後学のためにシャッターのレストアをしてみました。まず、フィルム室からシャッターレンズユニットを固定してあるリングを緩めてシャッターを取り出します。
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ピント合わせの前玉固定ねじ2か所を緩めると前玉が外れます。つぎに、シャッター速度ダイアルを固定している菊型リングを緩めて外します。
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チャージレバー、リリースレバー、セルフタイマーレバーのいずれも固着しているので、まずセルフタイマーユニットを外します。本来ならレバーのかかり具合などを記録しながら外すべきですが、オリジナルの状態を保っているか不明なので記録はしますが参考程度です。
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セルフタイマーユニットはネジで固定されてはおらず、シャッターユニットベースから生えているシャフトに差し込んであるだけでした。本来なら、スローがバナーとのリンクを確認しておく必要がありますが、よくわからないまま分解してしまいました。次に、スローガバナーを外します。こちらもよくわからないままに分解してしまいました。ネジ2本で固定されています。スローガバナーとチャージレバーのリンクもよくわからないままに分解しました。ここでシャッターチャージレバーを確認すると、いわゆるオウムのくちばしを発見し、これと組み合うシャッター作動ピンも判明しました。シャッター作動ピンは全く動かず、シャッター羽根の固着が原因であると判断しました。

ふたつのユニットを外すと、小さなばねが、シャッター羽根リングとのリンクにかかっていますので、なくさないように注意します。このばねは、シャッターチャージの際にシャッター羽根が開かないようにテンションをかけるのものです。
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後面の絞りユニットとシャッター羽根を収容している部位とシャッター本体を分離するには、シャッター後面の4本のネジを外します。絞りを解放を超えてさらに回すとネジが現れます。4本のネジのうち一本は長いネジで、シャッター本体のばねを固定するねじを兼ねていますので、位置を記録しておきます。シャッター羽根室をはずすと小さなばねが落ちていましたが、XM接点切り替えレバーの固定用ばねでした。
シャッター羽根を露出すると、羽根はパリパリに渇いて固着していました。これをベンジンできれいに清掃し、さらにシャッター作動リングを固定ねじとワッシャーを外して清掃します。このうち一つだけワッシャが小さいので記録しておきます。
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セルフタイマーユニットーとスローガバナーもベンジン浴させて清掃します。金属くずが出ましたが、ギアの動作そのものは良好でした。
さて組み立てです。シャッター羽根を組み立て、シャッター本体と合体させますが、フラッシュ連動のピンが邪魔をして組み立てしにくかったですが何とか組み立てに成功。プロンターシャッターはこの段階でシャッター作動テストができるので、試してみたところ良好に動作しました。スローガバナーとチャージレバーの接点はこの写真のようになります。上がシャッターが下りている状態、下が、シャッターチャージした状態です。
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最後にセルフタイマーの組み込みです。組み込みの時、セルフタイマーを中ほどまで押し下げておかないと組み込みできません。組み込んでから、スローガバナーとのリンクを模索しました。動きを観察し、図のようなリンクであることがわかりました。
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組み立てて動作をチェック、しかしセルフタイマーが作動しません。取り外して点検すると、小さなばねが外れていました。
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これを正規の場所にかけるとセルフタイマーもきちんと作動するようになり、修理は完了です。
さて、レチナⅠを使うかどうかですが、フィルム高騰の昨今ですので、おそらくNEXで使うことになりそうです

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ペトリカラー35をレストアする [カメラ修理]

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ペトリカラー35は、数あるペトリカメラの中で、ただの2機種しかない(もう一つはペトリハーフ)プレミアのつくカメラのひとつです。コンパクトなのにマニュアルカメラで、シャッター速度と絞りを二つのダイアルで操作しやすいのが人気の原因だと思います。
Yオクで、例によって、ジャンク品をゲットしました。外観きれい、ケース、キャップ付き、シャッター不動、露出計不動とのことで、競合も多く、8.4Kと高価な仕入れとなりました。
出品された方の責任ではありませんが、結論から言うと、このカメラは芯からのジャンク品で、ベートーベンの5番のように、次々に困難な運命が押し寄せてきました。苦悩を突き抜けて喜びに至ったかどうかは不明です。
さて分解です。トップカバーは、シャッターダイアル側側面のビス1本、巻き戻しレバー下のカニ目溝のあるリング、ピント調節ダイアルを外せば開けられます。
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また、ボディ貼り革をはがして、4本のネジを外すと、ボディ前板が外せます。この状態から、露出計のリード線を外し、フィルム室側から、シャッターユニット締め付け環を外すとシャッターユニットを分離できます。
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不具合1)シャッター不良
シャッターが切れず巻き上げられないのは、シャッターチャージ済の状態でシャッター羽根が油汚れで固着していたためでした。シャッターユニットを分離し、後面からネジ4本を外すと、シャッター羽根に到達できます。ここまでの手順は、このサイトが詳しいです。レンズ後方からアプローチすると絞りユニットが外れ、バリオ型のシャッター羽根を露出することができます。
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ここまでは、大きな問題はなく、シャッター羽根の油汚れを清掃し、シャッターユニットは回復しました。ここまでは1時間もかからず順調でした。さて、組み立てと思ったら、絞り羽根が正規の位置から脱落しているのを発見しました。やむなく絞りユニットを分解し、絞り羽根の整復を試みましたが、たった4枚のユニットなのに再組立ては困難を極めました。結局、強力なマグネット板を絞りユニットに合わせて切り抜いて、磁力である程度羽根を固定することで組み立てることができましたが、昔の職人さんはどうやっていたのでしょうか。心に余裕がなかったので、画像はありません。ほぼ二日かかりました。
これで一件落着かと思ったら、スローガバナーの調子が悪く、1/15が1/30と同じ速度で切れてしまいます。ガバナーをあけて注油してみましたが、改善せず、おそらくどこか、スプリングのかかり方が悪いのだと思いますが、結局1/15を得ることはできませんでした。ここでも二日かかりました。この時点で、レストア終了しようと思ったのですが、この後、eBayで、ジャンクのペトリカラー35、シャッター露出計故障という2台を50ドルでゲットできました。この2台は外観は悪いものの2台ともシャッターユニットをレストアできたので、外観の悪いほうから摘出したシャッターユニットを一番初めの外観のきれいな一台に移植しました。初号機の不良なユニットは、完全動作品のユニットと比較してみても不良原因は不明で、多くの時間を費やしたシャッターユニットレストアは、結局ニコイチに終わるという不完全燃焼の結果になりました。
不具合2)露出計は電池を入れても不動でした。テスターであちこち導通を試験
してみると、電池室のそばにある、シャッターチャージでオンになる薄板のスイッチの不良でした。接点を磨いて復活しました。心配していたCDSの劣化はなく、露出計はセコニックの単体露出計と比較してもほぼ同じ値を示します。
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さて、これでやっと完成かと思ったら、突然巻き上げできなくなりました。原因は、前板とレンズエプロンを接続する4本のビスのうち一本が脱落し、巻き上げ機構にかみこんでしまったためでした。せっかく組み立てた各部分をゆるめ、振ったりたたいたりしたところ、運よく脱落したビスを回収することができ、長い道のりでしたが、ペトリカラー35のレストアが完了しました。3台のジャンクから2台の完動品ペトリカラー35が残るという結果となりました。

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ジャンク品のセコニック露出計L-188を修理調整する [カメラ修理]


ジャンク品露出計5個セット(Yオク2.7K)の中にセコニック AUTO-LEADER L-188がありました。CDSを使用した露出計で、軽くて使いやすい大きさです。
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症状は、電池を入れても針が触れないことでした。本体裏側のビス3本を外すと分解できます。電池室のマイナス接点に液漏れの跡があり、変色しています。この部分の接触不良のようです。接点を慎重に磨き、サンハヤトの接点復活剤で清掃し、電池を入れてみると元気に針が触れるようになりました。
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しかし、手元にある、一番信頼できる露出計セコニックTwin Mate L-208と比較すると、2段くらい感度が低下していました。
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そこで、3つある可変抵抗で調整してみました。一番上が高輝度側、真ん中がバッテリーチェック、一番下が低輝度側の調整用です。あちこち向けて、TwinMate L-208とほぼ同じ値を示すように調整できました。クラカメのお友達、単体露出計のラインアップが充実しました。

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ニコンFGをレストアする [カメラ修理]

当方のフィルムカメラ趣味は、巻き上げモーター内蔵、マルチパターン測光になると、急激に所有欲がうすれてしまいます。気分の問題なので、これはどうしようもありません。これ以降の機種は、自動化が進みすぎて、またフォルムの変化も気に入らないので、その気になりません。昔のモダンがやぼったく見えてしまうのでしょうね。FM3Aは高いので、当分はターゲット外です。FE10,FM10も現行機種だった当時欲しい気持ちにならなかった名残で所有欲がわきません。ということで、ニコン一眼レフの中では、この機種が、ほしいものの一番最後の機種になります。
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そんなわけで、series E 36-72mmズーム付きのFGをYオクで、1000円でゲットしました。送料込みでも1800円というバーゲンプライスですが、当方以外に入札がなかったので、不人気のようです。一部で人気のEMは、絞り優先オートのみ、露出補正なしで、気軽なのは間違いないけれども、割り切りが良すぎて、いつも持ちあるくには少々力不足です。
FGは、EMとほぼ同じ大きさで、絞り優先、プログラムAE、マニュアル時ファインダー内表示で適正なシャッター速度を表示という優れものです。
電子式カメラなので、動作に不安がありましたが、到着したカメラは、ファインダー内にごみが目立つ以外、外観は良好でした。電池室内には、液漏れしかけたボタン電池が残り、電極が汚れかけていたため、まずは電池室の電極を磨きました。新しい電池を入れてみると、ファインダー内LEDが点灯し、絞りの変化に伴いシャッター速度も変化します。完動品(?)と喜びましたが、幾度かシャッターを切っているうちに、シャッター速度表示が、1/125と1/60両方の点滅となり、変化しなくなる不具合があることがわかりました。
調べてみると、どうやらこの症状はFGの持病のようです。
裏蓋を開けたときのフィルムカウンターのリセット後、カウンターが1になるまでは強制的に機械式シャッターの1/90になるという機能で、自動露出モードでレンズキャップをしたままだと、遅いシャッター速度になり、不必要に長く待たされるのを防ぐ、あるいは故障ではないかと誤解されるのを防ぐためのものです。カウンター部にそのための接点があり、その接触が悪くなってシャッター速度が1/90に固定されたり、もっと悪い場合は、電気表示がされなくなるらしいのです。
接触不良の接点を短絡してやれば、カウンター1まで1/90で切れる親切(?)機能はなくなりますが、撮影時の不具合はなくなります。短絡させる方法はいくつかありましたが、このことを一番丁寧に、試行錯誤の経過も交えながら記述してあるのは、このサイトでした。写真もわかりやすいです。そこで、このサイトの方法をとることにしました。
FGのトップカバーの開け方は、Youtubeで「Nikon FG topcover swap」紹介されているので、シャッターレバー上皿を回すレンチが必要ですが、それ以上の困難はありません。
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下の図のように両接点をリード線で短絡し、組み立てたところ、シャッター速度表示が1/125と1/60両方の点滅から変化しなくなる不具合は解決しました。
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ファインダースクリーンをマウント部から外してブロアーで清掃し、プリズム下面を綿棒で拭いたところ、ファインダーの汚れもかなり改善しました。
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汚れの原因となるのは、プリズム周囲のモルトの剥離脱落なので、完全解決には上方からのフレキを外してのアプローチでないと無理ですが、そこまでするリスクと手間を考えると、現状でOKと思います。
ニコンFGは、瞬間絞り込み測光なので、Aiニッコールでなくてもプログラム露出が使えます。シャッターの感触は、当方が好きなミノルタXD(この機種も瞬間絞り込み測光です)と似ていて、ほんの少しタイムラグがあるような柔らかい感触で、とても好ましいです。

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ライカ DⅡをレストアする [カメラ修理]

Yオクでライカ DⅡをゲットしました。ジャンクでないカメラは、ほぼ買わないので、当然ジャンクです。症状はというと、巻き上げノブがグラグラしていてシャッターを切れない状態とのことでした。部品の欠損はなさそうです。9K円ほど。
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とどいたカメラを見てみると、DⅡなのに1/1000のシャッターがあります。メーカーで改造されたモノと思われます。ファインダーは年代の割にはきれいで、二重像も十分視認できました。
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分解では、シャッターダイアルの取り外しに苦労しました。イモネジが割れていたので、手持ちのジャンクから発生したネジで置き換えました。
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フィルム圧板は擦れて真鍮の地肌が露出しており、通されたフィルムの多さを物語っていました。かなりヘビーに使われた個体のようです。
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構造は、FED-1ときわめてよく似ており、というか瓜二つで、部品の精度はさておき、FED-1そのものでした。当方がお目にかかった順番からこのような感想になるわけですが、当然ライカのほうが偉いです(*^^*)。
シャッター幕とリボンは比較的最近交換されたようで、(といっても数十年も前ではないという程度)まだ使用可能でした。このシャッター幕は、きちんと巻き上げたときに、ぎりぎりでかかり止めレバーが係止されるセッティングなので、巻き戻しノブが少しバックラッシュしただけでも、シャッター後幕が係止されずに走行してしまう状態でした。
巻き上げノブがぐらついてシャッターかかり止めレバーを固定できないため、シャッター不良となり、ジャンクとして当方の手元に流れ着いたということのようです。
巻き上げレバーのぐらつきは、締め付けを強くしたり、分解して清掃したりしても改善せず、ひょっとすると、ワッシャーの欠品なのかもしれません。巻き上げノブの逆転を止めるために、何らかの方法で摩擦係数を上げてやる必要があります。リボンと幕の位置を変更することは、以前に手入れされたプロの仕事に敬意を表すため回避します(単に面倒なだけですが、(*^^*)。
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ここで、20cm屈折の鏡筒回転部に使おうと思って手に入れていた、テフロンテープの存在を思い出しました。テフロンテープなら、摩擦にも強いはずなので、何百本ものフィルムを通さないのなら十分な耐久性があるのではないかと考えました。耐久性が不十分ならば、手間を惜しまず張り替えればよいことです。このへんは、プロの仕事とは違う気楽さです。
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写真のようにいい加減な貼り方ですが、テフロンテープは、十分なフリクションを発生し、2-300回の巻き上げでも、少しも傷んでおらず、十分な強度があることがわかりました。試し貼りのつもりでしたが調子が良いのでそのままです。
テフロンテープライカの巻き上げノブはスムーズで、FED-1のゴリゴリした感触とは別物です。さすがに出自が違います。


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ライカⅢfセルフタイマー付きのレストア(4) [カメラ修理]

シャッター幕交換
シャッター先幕は、断裂後、硬化溶解して一体化し、スプリングドラムに巻き付いていました。先幕リボンは、劣化もなく、まだ大丈夫そうだったので、ボンドでメインドラムとの張り合わせを補強して再使用することにしました。DSCN5202_R.JPG
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後幕はまだ大丈夫にも思えましたが、先幕と同時期に貼り付けられたものならば、遠からず破損しそうに思われたので、交換することにしました。リボンはまだ大丈夫そうなので、やはりボンドで、巻き取りスプリングドラムへの貼り付けを補強しました。リボンが再使用できると、本来のレギュレーションが保たれ、シャッター幕交換の手間がだいぶ減ります。
シャッター幕は先幕から貼り付けます。平行さえ保たれれば貼り付け位置はそれほどの厳密さは必要ないので、シャッターチャージの状態でフレームをしっかり覆う位置に貼り付けます。後幕のメインドラムへの貼り付けは、シャッターリリースの状態でフレームをしっかり覆う位置として、先幕と重なりすぎても離れすぎてもいけないので、微調整を重ねながら貼り付け位置を模索します。
組み立て、セルフタイマー修理
シャッター幕を再建したら、来た道をたどって組み立ててゆきます。組み立てて手間取ったのは、セルフタイマーでした。セルフタイマーとシャッターを連動するビスが曲がっており、セルフタイマーゼンマイの力がシャッターに伝わりにくくなっていたため、ラジオペンチで修正しようとしたら折れてしまいました。
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仕方ないので、手持ちの精密ネジセットからよさそうなもの(1.5mm)を見つけて来て、交換しました。やや長すぎたので、やすりで削って調整しました。プラスネジなのが気に入らないけれども、見えないところなので妥協します。
最後に先幕後幕のテンションを調整します。1秒で作動し、1/1000でシャッターが開くように、テンションをかけすぎないよう注意します。
最後に、無限遠を信用できるレンズ(BにしたベッサRのピント面でルーペ確認)で距離計を調整し、上下のずれも調整します。
納得できるレベルに仕上がったので、akiasahiさんから貼皮を購入し手お化粧直し、すっかりきれいになりました。
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これで数年来の宿題が片付きました。

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