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EasyDriverをつかってMMD-QZを修理する [ミザールMMD-QZ]

修理して使用していたMMD QZのL6470基板が焼損してしまい、使用できなくなりました。電源のDCワークから異常な電流が流れたのでしょうか。
そこで、ステッピングモーターを、48ステップ/回転の安価なステッピングモーター(900円、写真右)に交換しようと思いましたが、トルク不足で赤道儀を運転できず、結局オリジナルの24ステップのモーター(写真左)を使うことになりました。
DSCN4241_R.JPG
新しい葡萄酒は新しい革袋に入れたいところですが、仕方がありません。このオリジナルモーターを、Easy driver(中国製ジェネリック品2ドル少々)とArduino Uno(中国製同等品)で制御することにしました。総額1000円以内の投資です。
Easy driverは、Onstepでも使用できるドライバーですが、ステップと回転方向のシンプルな制御方式で、デフォルトでは、1/8マイクロステップになっています。ステップ数の計算がしやすく、たいていのステッピングモーターは回せるという優れものです。MMD QZオリジナルモーターも、何の調整もなくパラメターの設定もなく回すことができました。
これは、Easy Driverの使い方ページにあるExample.1スケッチで、簡単に定速運転ができます。
void setup() {
pinMode(8, OUTPUT);
pinMode(9, OUTPUT);
digitalWrite(8, LOW);
digitalWrite(9, LOW);
}

void loop() {
digitalWrite(9, HIGH);
delay(任意);
digitalWrite(9, LOW);
delay(任意); //任意の数字が1とすると、STEP signalが1となり 1ms high and 1ms low, ということで2ms で一つのパルスができます。 すると1000/2 = 500 microsteps/secondということになります。
}
というわずか12行のスケッチです。
8ピンのlow-highで回転方向を制御し、9ピンのhigh-lowで回転数を制御します。
ポータブル赤道儀ならこれで済みそうですが、MMD QZの修理なので、3個のスイッチを設定し、スイッチオンで3倍の増速もしくは反転をするようにスケッチを描きました。停止はenable端子を利用しました。配線は、Example 1.6を参考にしました。
Easy driverのイージーなところはもう一つあって、Arduinoへの電源をEasy driverから供給できるので、電源周りがすっきりすることです。
今一つ信用できないポータブル電源から異常な電流が流れる可能性を考え、3.3オームの抵抗と4Aのヒューズを入れて、対策としました。
DSCN4239_R.JPG
1/500の減速ギアがついたMMD QZでは高速回転はトルク不足で難しいので、スリップクラッチもあるし、3倍速が妥当なところかなと思っています。実際のスケッチは以下の通りです。
void setup() {
pinMode(8, OUTPUT);
pinMode(9, OUTPUT);
digitalWrite(8, LOW);
digitalWrite(9, LOW);

pinMode(2, INPUT);
pinMode(3, INPUT);
}


void loop(){

int a; int b;

digitalWrite(9, HIGH);//恒星時運転
delayMicroseconds(1250);
digitalWrite(9, LOW);
delayMicroseconds(1250);

while (digitalRead(2) == LOW) { //2番ピンとつながってるスイッチがonになったら下記を実行 (3倍速)

digitalWrite(8, HIGH);

digitalWrite(9, HIGH);
delayMicroseconds(400);
digitalWrite(9, LOW);
delayMicroseconds(400);
int a=1;}

while (digitalRead(3) == LOW) { //3番ピンとつながってるスイッチがonになったら下記を実行 (-3倍速)


digitalWrite(8,LOW );

digitalWrite(9, HIGH);
delayMicroseconds(400);
digitalWrite(9, LOW);
delayMicroseconds(400);

int b=1;}
}

DSCN4242_R.JPG
ケンコーKES赤道儀に取り付けてみましたが、快調に動いています。反転3倍速後、恒星時駆動の方向が逆になってしまいます。おそらくreturn;などの一行が不足しているのだと思いますが、早送り3倍速のボタンを一瞬押せば復帰するのでそのまま使用しています。

ミザールMMD-QZを修理する(3) [ミザールMMD-QZ]

当初の設定では、モーターはぴくぴく振動するも回転せず、kvralhold、kvralrun、kvralaccの値を調節したところ動くようになりました。高速回転は、脱調を防ぐべく、ゆっくり加速減速するようにacc,dec、maxspeedなどをいろいろ試してみましたが、8倍速ではどのように設定しても脱調してしまい、このモーターと減速機では、6倍速が限度のようです。
以下に、現在の、レジスタの設定を示します。
L6470_setparam_acc(0x0010); //[R, WS] 加速度default 0x08A (12bit) (14.55*val+14.55[step/s^2])
L6470_setparam_dec(0x0010); //[R, WS] 減速度default 0x08A (12bit) (14.55*val+14.55[step/s^2])
L6470_setparam_maxspeed(0x40); //[R, WR]最大速度default 0x041 (10bit) (15.25*val+15.25[step/s])
L6470_setparam_minspeed(0x01); //[R, WS]最小速度default 0x000 (1+12bit) (0.238*val[step/s])
L6470_setparam_fsspd(0x3ff); //[R, WR]μステップからフルステップへの切替点速度default 0x027 (10bit) (15.25*val+7.63[step/s])
L6470_setparam_kvalhold(0x80); //[R, WR]停止時励磁電圧default 0x29 (8bit) (Vs[V]*val/256)
L6470_setparam_kvalrun(0x80); //[R, WR]定速回転時励磁電圧default 0x29 (8bit) (Vs[V]*val/256)
L6470_setparam_kvalacc(0x80); //[R, WR]加速時励磁電圧default 0x29 (8bit) (Vs[V]*val/256)
L6470_setparam_kvaldec(0x80); //[R, WR]減速時励磁電圧default 0x29 (8bit) (Vs[V]*val/256)

L6470_setparam_stepmood(0x07); //ステップモードdefault 0x07 (1+3+1+3bit)
}
とりあえず、6倍速のついたMMD-QZとして復活しました。
DSCN3191_R.JPG
DSCN3192_R.JPG
かかった費用は、4000円程でした。
後日、6倍速ではトルク不足なことが分かり、結局4倍速になりました。

ミザールMMD-QZを修理する(2) [ミザールMMD-QZ]

MMD QZのステッピングモータは(株)三龍社のP43-2130(12)です。バイポーラ2相励磁で駆動させるタイプで、ステップ角度は15°、24ステップで1回転するようです。内部の減速ギアユニットは5段で減速させる構造で、総ギア比は1:500だそうです(以上、西中筋天文同好会、福井さんの記事による)。
新しいモーターで、置き換えようとしましたが、MMD QZは、モーター出力軸にモジュール0.5歯数10のギアが、接着された設計です。
DSCN3155_R.JPG
DSCN3156_R.JPG
代替する新しいモーターにとりつけるべき、モジュール0.5 歯数10、シャフト穴径3mmのギアは、いろいろ探しましたが、存在しないようです。ロボット向けDCモーター用のプラ製、シャフト穴径2mmのギアはありましたが、挿入による破損も懸念され、いちばん多く回転する部位でもあり、耐久性も不安です。
結局、オリジナルのP43-2130は、バイポーラーモーターでもあり、これを、Arduino+L6470で駆動することにしました。ギアユニットから赤道儀への接続ギア比1:2.5、赤道儀自体のウォームギア比1:144、24ステップ/回転を全て含めると4,320,000ステップで一回転することになります。速度数は、3284になります。スケッチは、スカイメモST用の速度数を変更し、最高速を6倍としたものとしました。
DSCN3158_R.JPG
DSCN3162_R.JPG
arduinoとL6470で、MMD-QZのモーターを回転させているところです。その後、実際に赤道儀に装着して数値を調整しました。

ミザールMMD-QZを修理する(1) [ミザールMMD-QZ]

手元に、かなり以前に、間違った電源をつないで、沈黙させてしまったミザールMMD QZがあります。当時は、回路に保護機能がないうえに、メーカーによってセンタープラスだったり、マイナスだったりと異なった電源が混在していた時期があったので、起こってしまった事故でした。そのあとは、ときおり、旧モデルのDCモーター、MMD3を使用していました(下図)。今でも動きますが、機能的には、古色蒼然としています。
DSCN3197_R.JPG
ステッピングモーターを駆動させるスケッチができたので、次の課題は、沈黙させてしまったミザールMMD QZの再生です。シザーズクランプを使用すれば、適用できる赤道儀が増えるので、古スコの強い味方になるからからです。分解すると、ステッピングモーターと減速ギアユニットが現れました。
DSCN3141_R.JPG
DSCN3153_R.JPG
DSCN3154_R.JPG


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