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Leitz Minolta CLの距離計を調整する [カメラ修理]

YオクでLeitz Minolta CLジャンク品を見つけました。CLは、プレミアムがつくカメラなので、ジャンクなCLをジャンクでない値段で売っているのはよく見かけますが、ジャンク品の値段で売っているのはとても珍しいことです。アクセサリーシューが取れていたのをボンドで接着してあること、ボディカウンター側に大きなあたりがあること、露出計不可、距離計が大きく縦ずれしていることがジャンクの要因でした。値段はなんと即決5k円 (*^^*)。もちろん即座に入札、無事落札できました。
届いたカメラは、アクセサリシューの周りにボンドがはみ出していて見苦しいのと、ファインダー測距部の下方への縦ずれが気になりますが、シャッターは全速快調で、機能的には完全なカメラでした。ホットシューの機能は確認していませんが、ストロボは使わないし、あたりはあってもカウンターは作動しているので、無問題です。うれしいことに、露出計も2段オーバーながら、ASAダイアルで補正すれば、ほぼ正確な値を示しています。
早速お手入れに取り掛かりました。
はみ出したボンドをシンナーなどで柔らかくして地道に削り取り、外観的な欠点は許容範囲に収まりました。
DSCN4370_R.JPG
となると気になるのはファインダーの縦ずれです。だいたい測距部の2/3くらい縦ずれしていました。二重像が合致しないとピント合わせの精度も低下してしまうので調整をトライしてみました。
アクセサリーシューのそばにある小さなプラスチックキャップをはずすと、距離計を調節するねじがあります。
DSCN4373_R.JPG
二重ねじになっていて、外側が左右を内側のねじが上下方向のずれを調整できるとのですが、上下ずれの調整可能範囲は狭く、ねじをいっぱいに締め込んでも、二重像が下方にずれている、本機のおおきなずれはまったく調整できませんでした。おそらく以前のオーナーが調節しろいっぱいまで調整を試みていたのだろうと思います。
そこで情報を収集しました。
このページにCLの距離計の詳細な図がありました。この図から想像すると、二重ねじの内側ねじで距離計の対物レンズを上下させて測距部の上下方向を調整し、外側のおそらくは偏芯ねじで左右を調整しているものと思われました。
本機は上下方向の調節しろがなくなるまで締め込んでも調整できないということは、距離計の対物レンズを何らかの方法で下方にずらしてやる必要があると仮説を立てました。ずらす方向は、おそらく下方ですが、実際の像を見ながら確認することにします。
覚悟を決めて、トップカバーを外します。ジャンクとはいえプレミアムなCLですから慎重になります。

DSCN4412_R.JPG
CLfinder.png
DSCN4413_R2.jpg
黄色矢印の部位が距離計の対物レンズ取り付け金具です。二重ねじをゆるめて、この金具に力を加えて対物レンズが下方に移動するように少し変形させてみると、ファインダーの縦ずれが改善傾向です((o゚▽゚)o))。細かい部品が多く、手を滑らせて周囲を損傷すると一巻の終わりなので、息を殺して慎重に力を加え、縦ずれがやや上方になるように調整できました。やや上方に調節するのは、二重ねじを締めると縦ずれが下方に移動するからです。肉眼では、金具の変形は確認できない程度です。
トップカバーを装着し、遠くの山頂の鉄塔で二重像がぴったりと合致するように二重ねじを締め込んで上下左右を調整しました。
DSCN4418_R.JPG
さらに無限遠が出ているかをルーペで確認して、無事調整終了です\(*^▽^*)/。とても大きな達成感がありました。
今回のようにうまくゆくことばかりではなく、苦い失敗もありますが、それもふくめてレストアの趣味は面白いです。
Leitz Minolta CLは、Leica よりも偉そうではないし、キャノンやフォクトレンダーのレンズを使っても引け目を感じないし(個人的な偏見です、聞き流してください(*^^*))本当に良いカメラだと思います。相棒になるレンズは、キャノンの50mmF1.8とフォクトレンダーの35mmF2.5、25㎜F4です。
DSCN4447_R.JPG
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