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レチナⅢCをレストアする [カメラ修理]

最近、レチナの価格が下がって、随分と求めやくなった気がします。Yオクでも、以前の1/3から1/4といった感じです。また以前は見かけなかったジャンク品も時々見かけるようになりました。故障しやすいデリケート機構なので、メンテナンスに費用が掛かるため修理されることが減ってしまったのでしょうか。逆に言えば、自分でメンテナンスできれば求めやすい環境になったということです。というわけで、ジャンクのレチナⅢC 2台を合計8Kほどでゲットしました。1号機は巻き上げ不可(分解してみたら底部シャッターチャージ部がさび付いて動作不良になっていました。シャッター羽根も少しさびていました。水濡れ?)2号機は、巻き上げはできるもののシャッターが切れず、レンズカバーが外れているというものでした。どちらもレンズはきれいでした。フォールディングカメラなので、レンズが収納状態になっていたのが良いのかもしれません。
レチナ取り扱いの作法として重要なのは、1.沈胴は∞時のみ可能なこと、2.カウンターゼロになると時は巻き上げができないことのふたつです。これを知らずに取り扱うと、故障させてしまいます。2号機のレンズカバーが破損していたのは、おそらく2のためだと思います。
レチナの巻き上げ系は複雑で故障しやすいため、巻き上げ不良のものは入手しないほうがよさそうです。外見からでは、有名な歯形状ギアの破損も判断できません。幸い2台ともこのギアは無事でした。
シャッターが切れないのは、たいていシャッター羽根の貼り付きなので、シンクロコンパーシャッターをメンテできれば解決します。ということで、1号機は部品のストックとすることにして、2号機のレストアを始めました。
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レンズの前群と後群を外し、フィルム室側から、シャッターユニットを固定しているリングを外します。そうするとシャッターユニットを分離できます。小ビスで止めてある金具は、ヘリコイドの固定用なので、外しません。また、フランジ調整用の薄い和紙のようなスペーサーが一枚か二枚入っていますので、破損しないように保存します。和紙のように薄いスペーサーですが、無限遠の調整には必須です。
シンクロコンパーのメンテナンスはこのページに詳しいですが、細いバネのかかり方などは、やはり自分で記録、確認する必要があります。部品をなくすとその時点でゲームオーバーなので、注意の上にも注意が必要です。
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取り外せる部品を取り外し、たどりついたシャッター羽根をベンジンで清掃し再組立てします。分解洗浄した部品たちが、生き返って元気に動作するようになるとうれしいものです。
スローガバナーを分解すると組み立てが大変そうなので、ベンジンで十分に洗浄した後、動作を確認し、注油するだけにしましたが、良好に動作しています。
ファインダーが曇っていたので、トップカバーを取り外して清掃しましたが、シャッターボタンの向き、カウンターを進めるカムのかかり具合が重要なので、トップカバー取り外しの際は、慎重に取り外し、カムのかかり具合を記録しておく必要があります。
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露出計は二台とも元気に動作していました。可変抵抗など複雑なメカがないのが良いのかもしれません。
完成図です。
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